新・主婦の思うコト。

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「ブロークバック・マウンテン」ネタバレありのおばちゃん的レビュー

      2018/07/22

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少し前に、2005年の映画「ブロークバック・マウンテン」をアマゾンプライムで観ました。

今は亡き名優ヒース・レジャーとミシェル・ウィリアムズが出会った映画、ゲイ映画ってくらいしかこの映画に対する知識がなく、時代設定とかとっつきにくいイメージがあったんですが、今の自分ならサラっと観れそうな気がしました。

原作はE・アニー・プルーの短編小説「ブロークバック・マウンテン」。
ブロークバック・マウンテン (集英社文庫) [ E.アニー・プルー ]

舞台はアメリカ中西部、1963年から1983年まで2人の男の20年間が描かれます。
大人しく口ベタな男イニスをヒース・レジャー、陽気でお喋りな男ジャックをジェイク・ギレンホールが演じています。

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ネタバレ的考察①

映画って序盤が退屈なものも多いけど、これは最初から「これは面白くなるぞー」って予感がビシバシきます。映画自体はむしろ、終始静かに物事が運んで行くし、セリフよりも沈黙や情景、登場人物の表情で多くを語られているような気がするので不思議です。そこが監督(アン・リー)の腕の良さでしょうか?
ゲイ映画だって最初からわかって観てるので、一番の関心はそりゃいつ一線を越えるのかですわな、おばちゃん的に。

しかしそれは突然やってきます。極寒のテントの中で。

序盤からずっとピーーンと張り詰めていた糸が、これ以上耐えきれずに切れてしまったように、衝動を抑えられなくなった2人が求め合うのですが、最初に仕掛けたジャックは勇気がいっただろうな。だってひと夏の間ずっと2人きりで山にこもって働かにゃいかんのに、拒絶されたら気まずすぎるよね・・・。ましてや男と男。
時代もセクシャリティにだいぶ寛容になった今と違って、ゲイだと周りに知れたら命も危ないような時代。
でも幸運なことに両思いになった2人がその後も山にいる間はそういう関係を続け、中坊のようにちょっかい出しあってきゃっきゃはしゃぐシーンはおもしろかった。うんうん、恋愛の始まりたてって楽しい時期だよね。

ここで私は疑問が湧いたんですが、ゲイの男同士が言葉も交わさず突然性行為を始めるとき、どっちがウケでどっちがタチってどうやって決まるんだろ?ってこと。
年上がタチ、とかなんかで読んだ気がするけど、誘った方のジャックはウケで良かったの?その後もずっとウケなの?とか思ってしまって。この映画に言うほど性描写はないんですけどね。
夫に聞いたら「順番交代じゃね?知らん。」って適当に答えられてモヤモヤしました。

そんな楽しい時間は長くは続かず、突然仕事が中止になって(たぶん雇い主に関係がバレたことが原因)解散することになる2人。
別れのシーンは言葉が少なくてせつない。寡黙なイニスはジャックが去ったあと、突然物陰に隠れて「おえーー」ってえづくんです。いろんなネタバレ&考察を読みましたが、物陰で泣くくらいジャックへの思いが募っていたのか、というと単純にそれだけでは無い気がします。別れが辛くて吐き気、って謎だし。
男に恋しちゃって何やってんだ自分みたいな嫌悪感、世間や家族、町で待ってる婚約者アルマ(ミシェル・ウィリアムズ)に対する後ろめたさ・・・そしてジャックへの思いなど複雑に絡み合った感情を自分でもコントロールできなくなったのかなと思いました。

イニスとジャックはその後それぞれ結婚し子供をもうけます。そこへ久々に会わないか、とジャックが持ちかけて4年ぶりの再会を果たすのですが、再会してすぐの激しいキス!ゲイがバレたら命も危ないような時代、って言ってるだろーが!とツッコみたくなる無防備な2人。そしてそれを即効イニスの嫁はんアルマに見られる。そこから男達は楽しい日々、アルマにとっては辛い日々・・・となっていき、ついにはイニスとアルマは離婚してしまいます。離婚の知らせを聞いたジャックはるんるんでイニスに会いに行くのですが、子供との面会日だからとイニスに断られ、いまだジャックといると周囲の目を気にするイニスの様子から、今後も2人の関係は発展しないことを悟ります。そして、泣きながらメキシコに行き男を買ってうさばらしします。

ジャック&イニスの別れ 私の好きなシーン

その後はイニスもバーで出会った女とひとときの恋愛をしたりしますが、子供の養育費のために必死で働かなければならず、年に数回のジャックとの逢瀬も断らざるを得なくなります。そのことで口論になった2人はお互いの気持ちをぶつけあいます。ここでは、これまで一貫して押せ押せのジャックに対して一歩ひいていた感じのイニスが、泣き崩れるほどとりみだしてジャックへの感情をむきだしにします。しっかりと抱きしめ会って別れた2人ですが、これが最後の逢瀬となるのです。この別れのシーンがすごくせつなくて好きでした。

突然、出会ったころの山で過ごした日の回想シーンがはさまれて、若いジャックを若いイニスがうしろから抱きしめる。馬に乗って去っていくイニスの後姿を愛しそうに見つめるジャック。・・・からの、現在の年とったジャックがイニスの車を見送る場面。

一番美しかった時期。一番楽しかった時間。戻りたいけどもう戻れない。あのころの2人がもう戻らないのがせつなくて、だから美しい。そんなこの場面が好きです。

ネタバレ&考察②ラストシーン

それからしばらくして、イニスがジャックに出したハガキが返ってきてしまいます。そこには「DECEASED(受取人死亡)」とスタンプが押してありました。ジャックの妻に電話をすると車のタイヤが破裂して事故で血だらけになって死んだと言いますが、イニスの頭にはゲイがバレて集団リンチされた様子が思い浮かびます。ジャックの両親に会おうとジャックの実家を訪れたイニスは、ジャックの部屋でブロークバック・マウンテンから下山する時にイニスが忘れてきたはずのチェックのシャツを見つけます。そのシャツはジャックがいつも着ていた青いシャツで包み込むようにハンガーにかけてあったのです。そのシャツをもらって帰り、イニスの自宅では青いシャツを今度はチェックのシャツで包み込むようにかけておくイニス。それを見つめながら「I swear・・・(誓うよ)」と天国のジャックに永遠に愛することをイニスが宣言してこの映画は終わるのでした。

ラストシーンの前には、トレーラーハウスで1人暮らすイニスに19歳になった長女が「結婚式に来て」とお願いしに来るシーンもあるのですが、最初は仕事もあるし・・・と断ったイニスが、気をとりなおして「やっぱり娘の結婚式は大事だ、行く!」と前向きな発言をして娘を別れます。これは、ジャックが死んでひとりぼっち、お金もなさそうで淋しい老後を過ごしている現在のイニスにこれからも幸せはある、という希望が見えるシーンになっています。

この映画はすごく奥が深くて、観れば観るほど新しい発見があります。
同時に、一度観ただけでは完全に理解できない部分もあって、ネタバレや考察、他の方の見解が読みたくなって「ブロークバック・マウンテン」で検索したら、この記事がわかりやすくて面白かったです。

映画評論家町山智浩アメリカ日記
ゲイ西部劇『ブロークバック・マウンテン』。男はみんなゲイである

最後の一文、主演4人全員ヌードあり。というとこウケた!たしかに、アン・ハサウェイまで脱ぐ必要あったかな?という気がしてたのでここ読んで笑いました。

この映画を観終わった後の、とてつもなく壮大なものを観てしまった感を夫に伝えたくて話しかけたけどやっぱり「知らん。きもい。女はそういうの好きだな。」とつれなくて、またモヤモヤしました。

本編観た後だと予告動画を観るだけでも胸が苦しくなる!
でも予告最後の花火のシーン、たしかに絵面は良いけどそこ使うんかい!って気持ちになったの私だけでしょうか?笑


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裏側を知るとまた感慨深いものが!
映画「ブロークバック・マウンテン」オファーを断った大物俳優たち

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